心理学実験実習(心理学科の専門科目)では現在,
スワヒリ語を40単語,暗記する実験をしています。
特にスワヒリ語に興味があるわけではありません。
効率の良い暗記の勉強方法を調べているのです。
勉強には,英単語を覚える,歴史の年号を覚える,元素記号を覚える,など
「丸暗記」がある程度,必要です。
そのとき,長持ちする記憶をつくるのに最適な学習方法は
どんな方法でしょうか?それを実験で調べます。
スワヒリ語は「誰も勉強したことがない」学習課題として選ばれています。
これは2008年に,Karpicke and Roedigerが報告した論文を,
十文字版に変更した実験です。
実験ではまず,スワヒリ語と日本語のペアを見て,
単語の意味を暗記します。これを「勉強」と呼びます。

<勉強風景。chakulaは「食べ物」という意味です>
これを40語,繰り返した後,覚えた単語の意味を
日本語で答えます。これを「試験」と呼びます。

<試験風景。pipaは何だっけ?>
試験も40語,繰り返します。
実験では勉強と試験を4セットずつ繰り返します。
それで暗記できた単語の数を記録します。
ここで比較するのは勉強方法です。
実験参加者を2グループに分けて,成績を比較します。
グループAは,試験をした後に,覚えた単語を
2セット目以降,勉強するリストから外します。
どんどん覚えれば,勉強する単語もどんどん減ります。
ただ,試験には40語全てが出題されます。
グループBは逆です。覚えた単語は2セット目以降,
「試験に出るリスト」から外れます。
どんどん覚えれば,試験に出る単語がどんどん減ります。
ただ,勉強する単語は減らさず,40語ずつ4セット勉強を続けます。
今日の実験では,
どちらのグループも勉強と試験を4セット繰り返すと,
40語のスワヒリ語をほぼ100%,暗記できました。
つまりグループAもBも同じように記憶ができました。
ただ,興味があるのは「長持ちする記憶」です。
今日暗記したことを,なるべく長く覚えておければ便利ですよね。
そこで,1週間後に同じ40のスワヒリ語を使って再試験をします。
グループAとB,どちらのグループの記憶が長持ちするでしょう?
実験結果と,この実験のご教訓は追ってご報告します。