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『表現文化論Ⅰ』授業紹介(第10回)

2012年6月23日 (土)

今日は「日系アメリカ人」について学びました。前半は講義、後半はビデオを見ました。

学生のみんなは、私語も無く、熱心に耳を傾けました。

日系アメリカ人とは、アメリカ合衆国市民の中で、日本にルーツがある人々のことです。今では「模範的市民」と評されるほどの日系アメリカ人たちが現在の立場を築くまでには、想像を超えるほどの苦難の道のりがありました。しかし、このことはアメリカでも日本でもほとんど知られていません。

2005

年の国勢調査によると、日系アメリカ人の人口は122万人あまりで、全米人口の0.4%を占めています。アメリカ合衆国に移民として日本人が渡ったのは19世紀末のことで、1900年から1910年には入国者数が13万近くになり、そのピークを迎えます。

日系アメリカ人たちは、偏見や差別と闘いながら、1930年代には安定した生活を手に入れることになります。しかし、1941年に日本国海軍が真珠湾を攻撃した日から、その生活は一変します。日系アメリカ人の指導的立場にあった人たちは逮捕され、1942年には太平洋岸住む日系アメリカ人約十二万人が強制収容所に入れられました。それまでに築き上げた財産を二束三文で処分し、手荷物一つで強制的に収容されたのです。その7割はアメリカ生まれでアメリカ市民権を持つ二世たちでした。鉄条網に囲まれ、彼らはプライバシーもない不自由な生活を余儀なくされます。

自分たちが忠誠なアメリカ市民であることを証明するため彼らが選んだ道は、第二次世界大戦でアメリカ合衆国のために戦うことでした。日系二世で編成された第100歩兵大隊と第442連隊戦闘団は、その規模の部隊としてはアメリカ軍史上最も多くの勲章を受けた部隊として、歴史に燦然と輝いています。父母の祖国である日本と闘う苦悩を抱えながら、アメリカでは人種差別と闘い、戦場では多くの犠牲者を生みました。1945年終戦後、トルーマン合衆国大統領は「諸君は敵だけでなく偏見とも戦い、そして勝利した」と最大級の賛辞を送りました。

日系アメリカ人たちは強制収容から解放され、新たな生活を再開することになりますが、差別や偏見が完全に無くなったわけではありません。アメリカ政府が日系アメリカ人の功績を認め、正式に謝罪をしたのは1988年のことでした。強制収容された日系アメリカ人に一人当たり2万ドルの補償金を支払うことを約束しましたが、多くはすでに死亡し、高齢化していました。

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学生のリアクションペーパーより

★「日系アメリカ人」という名称は知っていても、意味は知りませんでした。今までの歴史の授業でも、日本側からのことしか教えられなかったからかなと思いました。今回、知れて良かったと思いました。

★日系人の方に感謝すると同時に、二度とこんな事(強制収容)が起こってほしくないです。

★今までは、第二次世界大戦というと、米国と日本という二項対立でしかとらえていませんでしたが、その間にある「日系アメリカ人」という立場は、激しい葛藤があったのではないかと思います。「孝ならんと欲すれば忠ならず、忠ならんと欲すれば孝ならず」(親に従おうとすれば国に背くことになるし、国に従おうとすれば親に背くことになる、という意)、の言葉には、狭間に揺れる彼らの気持ちが集約されていると感じました。見ていてとても辛かったです。でも、知るべきことなんだと思いました。

★今まで聞いたことのない話だったので、今日聞いた時、とても驚きました。日系アメリカ人は、こんなにもひどい目に遭っていたんだなんて、思ってもいませんでした。

★日米の関わり、真珠湾、戦争といった関心のある内容だったので、今日はお話が聞けて良かったです。さらに興味関心が深まりました。どんどん過去のものになってしまう「戦争」というものを知らなければならないと思いつつも、機会に恵まれないのが現状です。日本人としての視点、その他の広い視点で「戦争」を見つめ直す、知る、ということは本当に必要なことだと思います。

★日系として育った人たちがどれだけの差別を受けて大変な目に遭ったのか知らなかったので、とてもショックを受けました。日系人たちが戦争の間どんな事をしたのか、そういう事実をちゃんと伝えていかなければならないと思いました。

★大変な思いをしながらも模範的民族と呼ばれるほど尊敬されるようになり、私達日本人が安心してアメリカに旅行できるのは、日系人のおかげだと思います。

Posted by 表現文化学科

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