『表現文化論Ⅰ』授業紹介(第4回)
2012年5月10日 (木)
3回シリーズでコミュニケーションに迫ってみましたが、そのラストが本日。
コミュニケーションを研究するための切り口は多々ありますが、
本日は「ジェンダー」と「ことば」がテーマです。
最初に、ある作家が書いた小説の冒頭文を読み、
その作者の性を当てる、というクイズを行いました。
履修者全員が「女性」と判断した小説の書き手は・・・実は男性。
では、私たちは何を根拠に、その冒頭文の作者を「女性」と
判断したのでしょうか。
そんな素朴な疑問から「ジェンダーとことば」を追求していきます。
続いては、海外のスポーツ選手の自称詞について考えてみました。
(ちなみに、本日取り上げたのは、ロンドンオリンピックでの活躍が
期待されるウサイン・ボルト選手です)
日本語に翻訳される時に選ばれる自称詞は?
「オレ」「ボク」「ワタシ」「ワタクシ」・・・?
ボルト選手の場合、スポーツ新聞のインタビューにおいては、
「オレ」で訳されることが多いんです。
力強さのアピールだと言えるでしょう。
私たちは、女性だから「女性らしいことば」を、
男性だから「男性らしいことば」を使うわけではありません。
「ことばを使う行為」によって、多様なジェンダー・アイデンティティ、
つまり、「自分がどのような人でありたいか」を創り上げているんですね。
(担当:星野)
(学生コメント)
・普段あまり意識しないことをまじめに考えるのが面白かったです。
・無意識のうちに、なんとなく「女性らしさ」「男性らしさ」を判断していることに驚きました。
・言語使用にみられるジェンダーで「女性同士が最もほめ合う」というのは共感できました。
・私たちはことばによって「らしさ」を使い分けているということがわかりました。
・女性らしさや男性らしさが無意識のうちに判断されてしまうのなら、逆にそれを利用して誤解させることも文章の上では可能だと気づき、すごく驚きました。
・「自分らしさを表現する手段としてことばがある」―この考え方はすごくわかりやすかったし、自己表現は難しいなとも感じました。もっと女性らしい女性になれるよう、美しい日本語も使えるようになりたいと思いました。
・「今からいくわ」という表現ですが、「わ」を下降イントネーションで発音すれば、確かに男性も使うと思いました。
【スライドの紹介 ―イラストの二人はどのように言うでしょうか】
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